あさのあつこ著No.6の2巻を読み終えました。
印象に残っているのは、ページの後ろのほう、No.6をめぐって、ネズミと紫苑の意見が対立するところです。
No.6を生かすか殺すかでしか考えていないネズミに、紫苑は第三の道を示します。No.6を消してはどうか、と。
こまったちゃんは、紫苑のような柔軟な思考は持ち合わせてはいません。
典型的な、ネズミタイプです。
よく、物事を二分して考えてしまいます。
生と死、正義と悪、男と女、強い、弱いなどです。
こまったちゃんは、高校のころ、進路を二択でしか考えていませんでした。
大学・専門学校に行くか、声優の学校に行くか…。
大学・専門学校に行けば、学歴になり、就職に有利ですが、こまったちゃんの将来の夢は声優でした。
そのため受験勉強に身が入らず、成績は落ちる一方でした。
親には声優になりたいと言えず、高校を卒業してすぐは専門学校に行きました。
しかし声優をあきらめきれず、結局、声優の学校にも行ったのですが、卒業後の所属オーディションでおち、何者になることもできませんでした。
もし、紫苑みたいに第三の道とまではいかなくとも、受験勉強も声優も、死ぬ気でがんばっていれば、何者かにはなれていたはずです。
後悔先に立たずというけれど、やはり自分の選択は間違っていたと思ってしまいます。
それでもこまったちゃんは、何者かになりたいのです。
それが小説家でも、漫画家でも、ピアニストでも、税理士でもいい。
今は、可能ならば小説家になりたいと思っています。
自分の選択を後悔しないように、全力でぶつかって行こう、と、No.6のネズミと紫苑のやり取りを読んで思いました。